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iPad修理コラム

iPadのバッテリー交換は自分でできる?作業の現実とリスク

最終更新日2026.07.12 作成日2019.05.18

動画サイトなどで修理手順が公開されるようになり、iPadのバッテリー交換に自分でチャレンジする方が増えています。一方で、修理の現場では自己修理に失敗してから持ち込まれるケースも、それと比例するように増えているのが実情です。失敗すると余分に修理費がかさみ、機種によっては中古品が買える金額になってしまうこともあります。当店は、そうした残念なケースを少しでも減らしたいと考えています。


この記事では、iPad Air 2の実際の分解写真を交えながら、自分で交換する場合に何をすることになるのか、どこに危険があるのかを修理店の立場から正直に解説します。読んだうえで「できそうだ」と判断するのも「やめておこう」と判断するのも、どちらも正解です。なお、そもそも今のバッテリーが交換時期かどうかを確かめたい方は、先に「iPadのバッテリー交換時期の目安と交換の基準」をご覧ください。


結論:iPadのバッテリー交換はiPhoneより格段に難しい


最初にお伝えしたいのは、iPadの分解には時間と手間が相当かかるという事実です。iPhoneであればネジを外してパネルを開けば内部にアクセスできますが、iPadはまったく構造が違います。難しさの理由は大きく3つあります。



  • 大型で薄いガラスパネルが、強力な粘着テープで全周固定されている。熱で粘着を弱めながら、割らずに剥がす必要があります。

  • 分解の途中で、気づかないうちに破損しやすい細かな部品やケーブルがある。誤った方向にこじ開けるだけで断線します。

  • バッテリー自体も強粘着で固定されており、外し方を誤ると発火の危険がある。最も注意が必要な工程です。


それでは、実際の作業がどのようなものか、工程を順番に見ていきましょう。


実際の作業工程:iPad Air 2のバッテリー交換


ここでは修理の現場で行っているiPad Air 2のバッテリー交換を例に、作業の流れと難所を紹介します。


工程1:ガラスパネルの開口(ここで割る失敗が最多)


バッテリー交換前のiPad Air 2


バッテリーにたどり着くには、まず表面のガラス、続いて内部の液晶を外す必要があります(Air 2の場合はガラスと液晶が一体型です)。パネルは特殊な粘着テープで固定されているため、熱を当てて粘着を一時的に弱め、ガラスを割らないように少しずつ剥がしていきます。


修理の現場では、ヒートガンという工具で200℃ほどの熱を当てながら剥がします。それでも開口だけで30分程度はかかる作業です。ご家庭で代用するならドライヤーになりますが、ヒートガンより温度が低いため、1時間以上は温め続ける覚悟が必要でしょう。さらに、機種によって内部の配線位置が異なるため、パネルを開く方向も変わります。配線の位置を知らずにこじ開けると、その時点でケーブルを切ってしまいます。


ガラスパネルを開口したiPad Air 2の内部


無事にパネルを剥がすと、内部が見えてきます。中央に見える黒い四角い部品がバッテリーです。ご覧のとおり、内部のほとんどの面積をバッテリーが占めています。


iPad Air 2内部の大型バッテリーパネルを外したiPad Air 2の内部全体


工程2:バッテリーの取り外し(最も危険な工程)


バッテリーも例外なく、特殊な粘着テープで本体に固定されています。iPadの裏面側から温めて粘着を弱め、長めのヘラをバッテリーと本体の間に差し込み、テープを剥がしていきます。


ここが自己修理で最も危険な工程です。ヘラなどで誤ってバッテリーに穴を開けると、火花が飛び散り大変危険です。リチウムイオンバッテリーは、穴あけや強い変形で内部がショートすると一気に発熱・発火する性質があります。少しでも不安を感じる場合は、この工程に進む前に修理店へ任せる判断をおすすめします。


粘着テープを剥がして取り外したiPadのバッテリー


粘着を丁寧に剥がしきれば、ようやくバッテリーを取り外せます。


工程3:新しいバッテリーへの交換と組み戻し


新しいバッテリーを取り付けたiPad Air 2バッテリー交換後に組み戻したiPad Air 2


あとは新しいバッテリーを取り付け、外した部品を元どおりに組み戻せば作業は完了です。組み戻したあとに起動しない場合は、各コネクタがしっかり挿さっているかを確認する必要があります。


ちなみに、修理の現場では経験を積んだ技術者がこの一連の作業を行って2時間ほどかかります。初めての方が挑戦する場合、開口や粘着剥がしに手間取ることを考えると、半日仕事になる可能性も見込んでおいたほうがよいでしょう。


見落としがちなリスク:交換用バッテリーの品質と発火


作業の難しさに加えて、意外と見落とされるのが交換用バッテリーそのものの品質です。


リチウムイオンバッテリーは電気用品安全法の規制対象で、基準に適合した製品にはPSEマークが表示されています。ところが、通販で安く手に入る互換バッテリーの中には、PSEマークのないものや品質の不確かな粗悪品も紛れています。粗悪なバッテリーは膨張や発火の原因になり得るため、交換作業そのものが成功しても、後日トラブルにつながることがあります。ご自身で交換する場合でも、部品選びだけは妥協しないでください。


また、すでに膨らんでいるバッテリーを自分で取り外すのは絶対に避けてください。膨張したバッテリーは内部が不安定になっており、通常よりはるかに発火の危険が高い状態です。本体の膨らみや画面の浮きに気づいたら、使用を中止して至急店舗へお持ちください。


自己修理に向いていない人・端末の判断基準


自己修理を全否定するつもりはありません。ただし、次のいずれかに当てはまる場合は、店舗での交換を強くおすすめします。



  • ヒートガンや開口用の吸盤・ピックなどの工具を持っていない。一式を買い揃えると、店舗修理との費用差はかなり小さくなります。

  • 仕事や学習で毎日使うiPadで、失敗したときの代替機がない。失敗すると数日〜数週間使えなくなる恐れがあります。

  • iPad ProやAirなど、ガラスと液晶が一体になったパネルの機種。開口失敗時の部品代が高額になりがちです。

  • データのバックアップを取っていない。作業ミスで起動しなくなると、データを失う可能性があります。

  • バッテリーがすでに膨張している。前述のとおり危険なため、自己修理は厳禁です。


反対に、壊れても困らないサブ機で、工具と時間に余裕があり、リスクを理解したうえで経験として挑戦したい。そういう方であれば、自己修理も選択肢のひとつになり得ます。その場合は、動画などで細かな手順をよく確認してから臨んでください。


自己修理の失敗で持ち込まれる実例の型


修理の現場では、自己修理に失敗して持ち込まれるiPadに一定のパターンがあります。代表的なのは次の4つです。



  • 開口時にガラスを割ってしまった。バッテリー代に加えてパネル代がかかり、費用が大きく膨らみます。

  • ケーブルや細かな部品を切ってしまい、表示やタッチが効かなくなった。本来不要だった修理が追加になります。

  • バッテリーを曲げた・穴を開けたなど、危険な状態のまま持ち込まれた。発火寸前のケースもあります。

  • 組み戻したのに起動しない。コネクタの挿し込み不良や、組み戻し時の部品破損が主な原因です。


共通しているのは、結果的に最初から店舗へ依頼するより高くついてしまう点です。挑戦する前に、この記事の工程とリスクをもう一度見比べてみてください。


不安が少しでもあれば、点検と見積りからどうぞ


スマホ修理ジャパンは総務省登録修理業者(登録番号:R000068)です。iPadのバッテリー交換は、データはそのまま、点検のうえ事前見積りでご案内し、修理箇所には3ヶ月の保証をお付けしています。症状と在庫の状態により当日対応できる場合がありますので、「途中まで自分で開けてしまった」という状態からのご相談も、あきらめずにお持ちください。


交換すべきタイミングかどうかを数値で確かめたい方は「iPadのバッテリー交換時期の目安と交換の基準」を、バッテリー交換を含むiPad修理全体の料金・流れはiPad修理のご案内をご覧ください。


直営店のご案内:スマホ修理ジャパン渋谷店(渋谷駅新南口から徒歩2分)/スマホ修理ジャパン川越店(川越駅東口から徒歩3分)。ご来店が難しい方は郵送修理もご利用いただけます。


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