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iPad修理コラム

歪むは容易く、直すは大変。ipadの歪み、凹み修理。

最終更新日2021.06.03 作成日2021.06.03

板金屋って大変ですね。



まずコチラをご覧ください。
衝撃でガラスが割れ、フレームの金属が歪んだiPadです。
ガラスの修理は出来ますか?という内容で御依頼を頂きました。
まず大前提としてiPadはすべてのモデルで
ガラスパネルが本体の金属フレームに粘着テープで固定されている
という特徴があります。
ですので、固定先である金属フレームが変形していると固着不良を起こし
パネルの剥がれ、最初から固定出来ない、そんな状態になってしまうことがあります。
衝撃が原因のガラス割れの場合、約半数が一緒にフレームも歪んでいるのですが...
今回の場合は歪みというより凹みですから、余計に厄介ですね。
 軽い筐体と引き換えに手に入れたアルミボディ


これがその凹み部分を横から撮影した写真。
ビデオ録画用の穴の周辺が強く凹んでいます。
この側面というのが更に厄介で…
全体の強度を稼ぐために側面のカーブしている部分は金属の厚みが平面に比べて倍以上あり
さらに曲面なので、下手に力を入れると簡単に断裂してしまいます。
断裂まで行かないにしても、ヒケやヒビが入る可能性も。
その原因は素材であるアルミにあります。
アルミは軽い金属として有名ですよね。
iPhone6s以降のモデルやiPadにも7000番台のアルミ合金が使用されていて
別の呼び名では超々ジュラルミンなんて名前でも呼ばれます。
これは過去に航空機などにも使われていた由緒ある、硬く柔軟なアルミ合金です。
その辺のアルミサッシとはわけが違う代物ですが…
流石に一度変形してしまうと所詮はアルミ合金。
修正しようと打ったり、曲げたりを行うとヨリが発生し、強度や耐久性が低下します。
特にiPhoneやipadは恐らくプレス製造ではなくアルミ削り出しなので、余計に致命傷になるでしょう。
(工業系に詳しい方に怒られそうな文章ですが、本題ではないのでご容赦ください)
つまり本来めちゃくちゃ硬くて曲げ直すのも一筋縄ではいかないということです。
 ならどうやってパネルが入るまで直すのか


気合


努力


やる気


工夫


様々な言い方はありますが、要は「なんとかする」ということで正攻法は存在しません。
実際、フレーム修正の方法は当店のスタッフそれぞれに持っているくらいですからね。
もちろん安全な状態を確保した上で作業をするのは大前提です。
iPadもパーツや電子基板を取り外してしまえば、ただのアルミの板です。
それが理論的に物凄く硬くて、曲げるのも一苦労だとしても、です。
人間の手で製造されたのですから、人間の手でどうにかできない訳がありません。
 
 
…と、自分に言い聞かせながら、頑張るのみです。
もちろん、どんなに打ち直し曲げ直しても完璧に元には戻せません。
とにかく使える状態、使用に問題がない状態まで持っていきます。
 打つ、曲げる、削る。そして…


無事、新しいパネルが入りました。
何よりもガラスパネルがフレームの外に飛び出ないことが重要
このように金属フレームがガラスの外側にある、これが理想的な状態です。
ガラス、割れやすくなってしまいますからね。
では側面は…

こんな感じです。
ダラダラと薀蓄を書いていたせいで。
最初の方に載せた状態を忘れてしまったという方もいると思うので。

一見、わかりにくいかもしれませんが、だいぶフラットになりました。
それでもやはり側面は硬く打ち直し、曲げ直しの有効度が低いので…
目立ちにくい箇所を内側から削り、ガラスパネルが入るまでになっています。
ここにたどり着くまで3時間ほど、ずーっとアルミフレームと大格闘です。
今回は特別に大変なフレーム修正だった、そう感じました。
これで使用には問題ありません。
ですがフレームの強度は低下しますので、お客様には特別なご了承を得た上で作業を行っています。
 
…いや、しかし、大変ですね、板金って。
 
 
 
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