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【Face ID】何かとトラブルに見舞われるiPhoneXs
- 秋葉原店 2020-06-17 2020-06-16 秋葉原店店長 須山よしのり
すぐに起動しなくなるiPhoneXs
AirDropを使いまくったらシャットダウンして起動しなくなったり、地面に落として通話の際の音声が出なくなったり、気づくと顔認証ができなくなったりと深刻な故障が多いiPhoneXs。iPhoneの中でもかなり繊細な部類に入るのではないでしょうか。
今回の故障は画面にリンゴが表示されてはシャットダウンを繰り返す症状。これも非常に多いのです。
お客様曰く、ごくたまにパスコード入力画面まで進む時もあるが「 このiPhoneでFace IDをアクティベートできません」と通知が出た状態だということでした。つまり顔認証が壊れていることがわかります。
預かった時の状態↓
なぜiTunes接続マークなのかというと、お客様の方で一度アップデートを試みたそうです。こういう故障の際にAppleサポートに連絡すると、スタッフから「iTunesアップデートを試してください」と指示されることが多いのですが、大体は失敗します。こちらも例によって失敗したので、またiTunes接続マークに戻って固まっています。
気になることが
上部スピーカーの網が目詰まりを起こしていますね。何かここから水など液体が入ってしまった可能性があります。
怪しいです。この裏に近接センサーがあるのですが、ここが水濡れするとiPhoneの電源がうまく入らないことが多々ありますので、早速中を見てみましょう。
パッと見は特に水没の痕跡は見当たらないが...
画面を外しました。見た目は非常に綺麗です。赤い枠がイヤースピーカーと一緒に設置されている近接センサーです。これを取り外します。
水濡れ箇所発見
赤外線が出るこの「近接センサー」にカビのようなものが発生しています。水濡れするとよくこのような腐食が発生してパーツがうまく機能しなくなります。この部分は顔認証に非常に重要な箇所ですので、この状態のせいで顔認証使用不可の警告が出てさらには電源がうまく入らなくなったわけですね。
というわけでこの腐食を綺麗に掃除します。
そして再びiTunesアップデート
さっきの腐食箇所が綺麗になりましたので、本体に仮付して電源オン。この時点ではまだアップデート失敗後の固まった状態なので近接センサーが綺麗になった状態でアップデートを再トライです。今度は成功するはず。
アップデート成功
iTunesアップデートは最後まで通過。画面にはグラフと一緒に「データの回復を試みています」と表示されます。グラフが右まで埋まると今まで使用していた時のデータが全て戻ってきます。この間は何もすることが無いので気長に待ちます。(早く終わらないかなぁ......笑)
そしてようやく復活!!
やっと最初のパスコード入力画面に戻ってきました。これで本来の操作ができる状態になりました。この後は最終工程、完全に組み立てて完成させます。
Face ID復活しました。
お客様にFace IDで画面のロック解除を試してもらったところ、問題なくロック解除されました。一度壊れると直すのは非常に難しいFace IDですが、今回は故障箇所に簡単に手が届きましたので成功、ここで修理は完了です。
最後に注意点が
今回のケースではアップデート失敗の状態でお持ち込みいただきましたので、その後データの復旧が成功しましたが、アップデートが失敗したからといって今度は「復元」をクリックしてしまうお客様もいらっしゃいます。例によって「復元」も失敗しますが、「復元」を一度でもクリックすると、iPhone本体の修理後にデータの回復に失敗してしまい、お客様の大事なデータが消えてしまいますので、くれぐれも「復元」はクリックしないようご注意くださいませ。
最後までお読みくださいましてありがとうございました。