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iPhoneの音質、実は「良い」って知ってた?
- 秋葉原店 2021年12月1日 2021年12月1日 秋葉原店店長 須山よしのり
何も気にせず使えるiPhoneの音質は、良い。

昨今ではiPhoneの進化はカメラや画面の美しさに集約されていて興味の無い人からすると
「そこまでは求めていない」
なんて話もチラホラ…
正直、スタッフも「またカメラと処理性能が上がっただけか」と思わないでもない状況です。
そのためiPhoneよりも凝った仕様のスマートフォンに乗り換える方も多いとか。
ユーザー全体がiPhoneじゃなくても使いこなせるくらいまでレベルが上がった、リテラシーが向上した。とも取れますが、日常的に使っている道具が変わると色々と違和感を覚えるものです。
中でも顕著だと感じるのは、そう
音質
実はiPhoneのオーディオって、耳馴染みがいいんです。
そもそもiPhoneはiPodの系譜

今では馴染み深い道具になったiPhoneですが、もとを正せばiPodの系譜に入る機器です。
当時のデジタルオーディオの中では、音質の面で決して目立つ存在ではありませんでしたが、DAC出力に対応したDockコネクタの搭載などで一時代を築いたのも確か。
当時のデジタル出力音源の主流であったmp3よりも最適化されたコーデックの再生とiTunesによるアナログ盤のデジタル化も合わせて評価が高く、SONYなどの老舗ブランドの業績を大きく揺るがす存在として認識されたのも、この頃でしょう。
ですが、よほど凝った使い方をしない限りはiPodも「いっぱい音楽を持ち歩けるプレーヤー」であり、日常的に音楽を聴く道具としては優秀なものの、本格的な音楽鑑賞には向かないという評価もボチボチ。
そしてiPodの役割は、しっかりとiPhoneに引き継がれてきました。
当初はそこまで重要では無かったiPhoneのオーディオ

出始めのiPhoneは通信機能に全てが集約されていました。
これはiPodに携帯電話の機能を持たせたときに、iPodの役割を削ってしまわないように…かもしれませんし物理的な限界があったからかもしれません。
とにかく初期のiPhoneはストレージの容量も音楽を入れるには少なく、イヤホンジャックはあるものの、あくまで音楽を聴くというのはiPodに任せればいいという思惑も感じ取れます。
全体を通して、オーディオの改善が見られたのはiPhone4/4sから。
ミュージックアプリケーションの改善も見られましたし、Appleのオーダメイド品のオーディオICが搭載されている事が確認できるのは、この頃からです。
iPodの頃から、フラットな特性を全面に押し出した「誰でも聞ける音質」でしたが、特性は変えずに解像感を重視し、更にiPhone4sではiPod向けのDockアクセサリーが使用可能で、上記でもサラッと触れたデジタル・アナログコンバーターの使用も可能であり、デジタル化された音源をアナログ信号として出力し、より深みのある音楽環境にも適合していたことからも、何でも出来るスマートフォンの代名詞になったことは当たり前と言えるでしょう。
iPhone5からは外部機器を必要としない、音楽の楽しみを追加。

そしてiPhone5ではDockコネクタから、Lightning端子への変更が加わりました。
従来のDockコネクタのようにDACには対応していないのですが、それは時代が必要としないからかもしれません。
iPhone5の世代にはデジタルオーディオの世界も、アナログに勝る技術革新が進んでおり…
従来の「アナログの解像度と深みに、圧縮されたデジタル音源が勝るわけがない」という考えが覆され初めた頃です。
後の2014年頃に登場するハイレゾリューションオーディオ(ハイレゾ)という存在からも、その背景が伺えます。
(イメージとしてSONYが強いですが、コレはあくまでハイレゾの基準を満たした場合に表記が許されるというレベルのものです)
そんなハイレゾよりも先にiPhoneはApple Losslessなどの可逆圧縮方式コーデックの採用で、独自規格でありながら音楽データ自体の音質改善に取り組んできました。
普段、何気なくiPhoneで聞いている音源も、実は高品質の圧縮技術で音質改善が行われたものだったのです。
またそれ以降で、音楽の購入方法にも変化が訪れます。
今ではストリーミング再生が主流ですが、当時は通信規格も3Gから4Gへの変革期ですし、回線契約費用とパケット代で簡単に貯金が吹き飛ぶ時代です。
なのでストリーミングのような「データをインターネットから受信し続ける」音楽再生方式は、全く実用的ではありません。
ユーザーは購入したCDまたはレンタルしたCDをiTunesに取り込み、iPhoneへ転送していました。
これはiPodの頃と変わらず、ですね。
しかし2012年になると、日本でもiTunes storeが本格的に始動し「デジタル音源を買って、直接iPhoneへ取り込む」という事が現実的になります。
それまで、ネット経由で端末に音楽を入れる方式は着うたフルやリスモなどが先行していましたが、音質はMDよりも悪く、聴けたものではありません。
(その影響か、当初は懐疑的な見方をされていたのを覚えています)
これにより、音楽を聴くハードルというものが格段に低く、更に万人が外部機器を使わずにiPhoneだけで音を楽しむ環境にシフトしていきます。
iPhone6からiPhone7に至るまで。

常にiPhoneの進化で注目される処理性能やカメラの性能の裏で、着々と進化を続けてきたiPhoneの音質ですが…
iPhone5からiPhone6、iPhone6sでは基本仕様はあまり変化が見られず、フラットな特性をとにかく重視した音質を保ってきました。
この頃になるとデジタル音源の音質改善も機器の枠を超えて見られるようになり、様々な圧縮コーデックが出るようになります。
(先程から、当たり前のようにコーデックだの圧縮方式だのと書いていますが、これは音をデジタル信号化する際に最適化とデータ圧縮を行うもので、圧縮率が高いほどデータは小さくなりますが音質は犠牲になってしまうという、難しいことは抜きにしても外せない項目です)
それに合わせて音楽を最適な環境で再生するアプリが複数登場し始めます。
通常のiPhoneでは再生出来なかった音質劣化の無いFLACの再生も可能にするアプリが登場したことで、音楽体験は更に加速していきます。
またiPhoneのフラットな音調に飽きてきているユーザーにも、イコライザによるチューンナップが浸透し、個人が手元で聴く音楽の楽しみ方に拍車をかけ、Lightning端子に対応したDAC内蔵ポータブルアンプの登場、無線規格Bluetoothによるケーブルからの開放など…
一見目立たないiPhoneのオーディオ環境は、日々進化を続けています。
正直、iPhoneのライバルは居ない。
と、散々iPhoneの音質について書いてきましたが…
なによりもiPhoneで音楽を聴く際の一番の特権は「ずっと変わらない」ということです。
実際に、これを書いているスタッフもスマートフォン、iPhoneの両方を使用していますが…
正直なところ、iPhone以外のスマートフォンで音楽を聴取する行為は「実際に聴いてみなければ好みに合うかわからない」という面が強すぎるのが現状です。
SONYなどのオーディオ関連のノウハウがある企業でも音質は製品によってバラつきを感じます。
その上で独自規格のイヤホンを購入しなければ、特定の音楽体験が出来ない。
むしろ、オーディオへのこだわりが強すぎて、尖った性能になってしまっていることもあります。
iPhoneのオーディオには特別な点が少ない、つまりはiPhoneなら変わらずに聴ける音質を提供してくれる。
これが唯一無二のiPhoneの強みでしょう。


