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故障・トラブル対策
何かに濡れたiPad
- 秋葉原店 2019年2月14日 2025年10月28日 秋葉原店店長 須山よしのり
こんにちは。スタッフです。
当店ではiPhoneもiPadも修理可能ということで、結構な数のご依頼を頂くのですが…
先日、少し様子の変わったiPadを修理しました。
液晶が表示不良を起こしている状態で持ち込まれ御話を伺うと「水没しているかも」と…大抵の場合、水没というと淡水や純水などの透明な水分をイメージします。
そのまま修理受付を終え、一旦お預かりし修理に入ると…
なんとも言えない、かほりがする…
なんといいますか、こう良く言えば醸されている感じ…程々の表現で言えば発酵している匂いがしました。
それは醤油醸造所のような、酒蔵のような、はたまた納豆のような…
とにかく開けて中を見なくては…独特な使命感が私を駆り立てます。
慎重に進め、パカっと開くと…

わかりますでしょうか。
背面カメラと、音量ボタン付近に何かが付着しています。
そして、もう一つ黒いシミのようなもの…

電子顕微鏡で拡大すると、どうやら黒カビのようです。
こうなってくると、いよいよ水分のイメージが変わってきます。
水分は何かしらの食べ物で、しかも菌類が育つ糖質等の養分を含んだものです。
コッテリなのか、サッパリなのか…そんな事を考えながら修理を進めます。
付着物も問題ですが、液晶が直らなくては話になりません。
なので液晶パーツもじっくりと見てみます。

やはり液晶パーツの背面にも腐食が見られました。
なので液晶を新しくするために、取り外したところ…

ここにも付着物が…どうやらiPadの右側から水分が侵入したようです。
精密機器の心臓部である電子基板が搭載されている箇所になりますので…パーツ交換をする前にしっかりと清掃をします。

清掃をする中で、段々と水分の正体が見えてきました
多くの油分を含んでいる
動物性タンパク質を感じる
少し匂いの強いもの
これは「豚骨スープ」ではないか、と考えたわけです。
油分を含む付着物は、無水エタノールで丁寧に除去。
黒カビは幸いな事に電子基板から少し離れたフレーム部分に生えていましたが…
菌糸を残してしまうと他の部分に広がる可能性もあるので、中性洗剤を使い綺麗に除去し影響が残らないようにします。
全てを綺麗にしたあと、新しいパーツを組み込み、起動を確認。
後は、お客様を待ちます。
「差し支えなければ教えて頂きたいのですが、何に水没されたんでしょうか?」
「あ…ちゃんぽんスープです」
どうやら、バッグの中でスープが漏れ、それにiPadが浸かってしまったようです。
最近は出先でもスープジャーなどで気軽に温かいスープを楽しむことが出来ますが…
気密がどんなに確かでも、気温差や気圧差で漏れることがあります。
なるべく水分と精密機器は別々のカバンに入れておくのが良いでしょう。
今回は無事に直りましたが、致命的なダメージを負った機器は直らないこともあります。
身近で気軽なスマホもタブレットも精密機器であることに変わりはないので…
スタッフも含め、より気をつけなくてはいけないと思った修理内容でした。


