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iPad修理コラム

iPad Proに搭載されたUSB-Cコネクタが高速充電器を使用し続けて充電不良に…

最終更新日2023.07.19 作成日2023.07.06

 
今回の記事で分かることビジネスシーンでも活躍するiPad Proの「USB-Cコネクタによる高速充電」
しかし過剰な性能をもつ高速充電器を使用したトラブルの相談が増えています。
iPad本体が対応している限り充電速度が早くなる便利な機能ですが使用には注意が必要であり
以下の点に留意することが重要です。
・純正品の充電器を使用する
・iPadのモデルに合った出力のアダプタを使用する
・充電しながらの使用を控える
・異常な動作には注意し、問題があれば専門の修理店に相談する

増え続ける高速充電を使用したiPad Proのトラブル



大容量のバッテリー・薄型大画面・優れたUI・高性能チップを搭載し最近ではパソコンの代わりに使用するユーザも多いiPad Proシリーズ。
殆どのユーザーは仕事のために使用するようで、現代のワークステーションの代表となりつつあるモデルです。

USB-C搭載iPad Pro一覧
・iPad Pro12.9インチ 第3世代(A1876 A1895 A1983 A2014)
・iPad Pro12.9インチ 第4世代(A2069 A2229 A2232 A2233)
・iPad Pro12.9インチ 第5世代(A2378 A2379 A2462)
・iPad Pro12.9インチ 第6世代(A2436 A2437 A2764 A2766)
・iPad Pro11インチ 第1世代(A1934 A1979 A1980 A2013)
・iPad Pro11インチ 第2世代(A2068 A2228 A2230 A2231)
・iPad Pro11インチ 第3世代(A2301 A2377 A2459 A2460)
・iPad Pro11インチ 第4世代(A2435 A2759 A2761 A2762)

その中でも利便性の向上に一躍をかっているのは「USB-Cコネクタによる高速充電機能」です。
大容量バッテリーの充電時間を劇的に短縮できる機能ですが…
平時でも修理店のスタッフとしてUSB-C搭載iPad Proの充電に関する問題について
御相談に持ち込まれるものは多く、その中でも内容に
・高速充電器を使用していた
といったお話を伺う回数が最近になって増えてきました。
そこで今回は実際の症例も交えながら、iPad ProとUSB-C、高速充電について書いていきたいと思います。

最近よく聞く「高速充電」ってどんなもの?



ここまで簡単に「高速充電」という単語を使って書いてきましたが
正直、よくわからないという方もいらっしゃると思います。
通常、従来のiPhoneやiPadを使用する上で推奨されている充電アダプターは
[5W USB 電源アダプタ]※iPhone11までの機種に同梱
[12W USB 電源アダプタ]※iPad第7世代などのモデルに同梱
[18Wまたは20W USB-C 電源アダプタ]※ホームボタンが廃止されたiPad Proシリーズに同梱

大まかに分けると、この三種類です。
(細かく言うとMacBook用の高出力電源アダプターもありますが割愛します)
この中で注目して頂きたいのは「〇〇W(ワット)」という表記でアダプターの給電能力を表しています。
一般的にこの数値が高いほど、iPad本体が対応している限り充電速度は早くなり「効率的な充電が行える」ということです。
そしていわゆる「高速充電」に該当するApple純正iPhone/ipad用アクセサリーは…[18Wまたは20W USB-C 電源アダプタ]のみ。
要するに、最近見かける機会も増えた「USB PD」の規格に適合する15W超えの出力を持つアクセサリーを使用した充電を「高速充電」と呼びます。
 

高速充電をすると絶対にiPadが壊れるの?



ここまで「高速充電」について書いてきましたが…
それでは「高速充電で絶対にiPadが壊れるのか?」と言われると…
答えはNOです。
ですがiPad Proの充電に関して「高速充電器を使用することに潜在的なリスクがある」と理解することは重要だと考えています。
その中で注意しておきたいのは…
1.純正品を使用する: Apple公式の純正充電器を使用することで、より正確に充電環境を整える事ができます。
2.iPadのモデルにあった出力のアダプタを使用する:純正付属品の20Wを超えるアダプタの使用は一時的なものに留める。
3.充電しながらの使用を控える:充電器を繋げたまま使用すると、常に給電状態を維持するため端子に負担がかかります。
4.異常な動作には注意: iPad Proが充電中に異常な動作をしたり、発熱が異常に高まったりする場合は充電器から取り外して、Apple正規窓口や修理店に相談しましょう。
これらのことを日常的に守っていれば、そう簡単に壊れるということは無いはずです。

実際の症例


実際にお客様のご相談から修理を行った事例を端子の状態の写真と併せて紹介します。
端末:ipad Pro12.9インチ 第3世代
症状:日常的に120W出力の充電器に繋げていたら充電が出来なくなった
一度御連絡を事前に頂いた際には
「変換コネクタ経由のHDMI接続が上手く行かない」
「充電も上手く出来ない、または全く出来ない」
というもので、実際に御来店頂いた際の動作確認でも充電反応はありません。
まずは分解からお任せ頂き、中の状態を見てみると…

全てが金色に輝いていることが優良な条件である充電端子の一部が真っ黒に変色しています。
ここから全てを推測することは出来ませんが、こういったものは焦げているに近い状態。
通常であれば、あまり見かけない症状です。
ですが今回の場合は、高速充電のような一般的に「強い電力で一気に充電を行う」機能を使用していたこともあり
端子部に強い負荷がかかる可能性について否定が出来ない状況から考えても(断定は出来ませんが)原因として濃厚といったところでしょうか。
実際に充電端子を交換することで、無事に充電が行なえました。
お客様曰く
「同じ症状で過去に2回は本体交換をしている」
とのお話も伺っておりますので、充電環境が原因である可能性についてもご説明いたしました。

最後に


 
 


スタッフ


もし本当に「過剰な高速充電が端子の損傷を招いている」と、なると
仮に本体交換や当店で修理を行ったとしても、使用環境を見直さなければ
同じ症状で再度故障をしてしまうことになります。
もちろん、今はまだ可能性の段階ですので断言は出来ません。
ですが、利便性の裏側にあるリスクについて考えるいい機会だと思います。
USB-C搭載iPad Proを使用中のユーザーには、慎重になって頂きたいと考えています。


 



 

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