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バッテリーの最大容量が表示されなくなる理由2020.04.25

非正規店でバッテリー交換後、バッテリー最大容量が表示されないのはなぜ?


 

1年ほど前からニュースになっていましたが、まだ当該のiPhoneはバッテリー交換のタイミングではなかったので、あまり気にする人はいなかったでしょう。

そして2020年現在、iPhoneXs、iPhoneXsMax、iPhoneXRのバッテリー交換時期が近づいてまいりました。ここではバッテリーの最大容量が表示されないのは異常なのか、非正規店でバッテリー交換しても大丈夫なのか、そのまま使い続けても大丈夫なのかを説明していきます。

 

対象の機種はiPhoneXs、XsMax、XR、11、11Pro、11ProMax


2020年4月現在はこの6種類です。

 

ではiPhoneSE(第二世代)は?


実際に交換してみるまでわかりませんが、おそらく同じように表示されなくなる可能性が高いです。



 

実際に非正規店でバッテリー交換をすると、どうなるのか


このような表示になります↓
”このiPhoneで正規のApple製バッテリーが使用されていることを確認できません。このバッテリーではバッテリーの状態を利用できません”

最大容量  ー



 

iPhoneX以前はどうだったのか


例え非正規でバッテリー交換してもちゃんと正常に表示されます。これは当店でiPhoenXのバッテリー交換後の写真ですが、最大容量は100 パーセントと表示されています。本当はこうなるはずなのですが......。


そのまま使っても大丈夫?


バッテリー自体の性能は全く問題がないので、そのまま使用できます。バッテリーの劣化具合を見られないことが気にならなければ何もバッテリーが新しくなったこと以外に特に変化はありません。

 

Apple純正バッテリーを入れるとどうなるのか


新たにApple純正バッテリー単体を入手するのは非常に難しいですが、例えば自分のiPhoneXRのバッテリーが劣化してきたので、新品のXRからバッテリーを取り出して自分のiPhoneに移すことができたとします。

新品のiPhoneから取り出したバッテリーなのでもちろんApple純正です。なので本来は自分のiPhoneの設定画面でバッテリーの最大容量みると100パーセントと表示されるはずなのですが......結果は否、非純正のバッテリーをつけた時と同じ。メッセージは”このiPhoneで正規のApple製バッテリーが使用されていることを確認できません〜”となります。

 

一体なぜなのか:アップルの仕様です。


純正バッテリーを入れているのに純正ではないと疑われている....これはどうやって純正/非純正を見分けているのかを知る必要があります。

それはこちら、いろんなスマホの修理をYouTubeで紹介しているジャスティン・アシュフォード氏のチャンネル「TheArtofRepair」ですでに言及されています。

動画はこちらからどうぞ

動画の解説!


①アシュフォード氏はこのバッテリーの状態が正常に表示されない現象の詳細を検証するために自分のiPhoneXRを持って中国深センのパーツショップへ向かいます。

②到着。中古パーツショップにて中古のオリジナルiPhoneXRバッテリーをゲット。(ショップ内は全館撮影禁止のよう笑)

③友達の技術者に自分のバッテリーのシリアルナンバーをコピーして中古バッテリーに上書きしてもらう。

④別の友達の技術者がやっている修理道具ショップに到着。先ほどシリアルを書き換えた中古バッテリーを自分のiPhoneXRにいれて検証。
するとやはりバッテリー容量が表示されない。バッテリー自体はオリジナルでしかもシリアルも自分のに書き換えたのに...。

⑤ここでラベルのない怪しげな謎のバッテリー登場。これをiPhoneに入れると、なんとバッテリー表示が正常に。容量100%!とでています。非純正のバッテリーなのになぜ....?

⑥自分のラボに帰って結果の説明。

 

⑥の詳しい解説


アシュフォード氏はバッテリーに付いている残量計(bq27546-G1)内のICチップによるものと指摘。この残量計の製造元は「テキサスインストルメンツ」(以後TI)という会社。iPhoneバッテリーに使われている残量計のICチップ「bq27546」* はiPhone本体とペアリングされてから出荷されます。このチップとiPhone本体とのペアリングこそが、バッテリー最大容量を表示させる重要な鍵になっていると言っています。

*正確にはこの動画がアップされた頃Appleの使っていたチップは「ns27546」なのですが、アシュフォード氏曰く、この型番はアップルの『完全企業秘密』で公開情報がないので、限りなく同じ性能を持つ「bq27546」で説明しています。

これが本当だとすると、このペアリングを無視してバッテリーが劣化したからといって個人/非正規店でバッテリーを交換するとたちまちペアリングが切れてバッテリー最大容量の表示がなくなってしまうというわけです。

アシュフォード氏はペアリングされたバッテリーとiPhoneが認証キーを使ってバッテリー情報を本体に送り続けていると指摘。

 

すごくシンプルに図にするとこういうこと


出荷時のバッテリーはもちろん認証されてバッテリー最大容量が表示されます



 

ところがApple以外で交換したバッテリーの場合はチップが違うものになっていますので認証NG
よって最大容量が警告表示に。



 

ここで動画に出たTIの当製品情報を見てみましょう


ソース:https://www.tij.co.jp/jp/lit/ds/symlink/bq27546-g1.pdf

PDFにつきスクショできませんでしたので印刷しました。このページの中にある”8.3.5.3 KeyProgramming(Secure Memory Key)のところが重要です。

文章の内容は次のようになっています。

セキュアメモリー認証はbq27546-g1残量計のなかに格納され、これが有効な場合、認証チャレンジ(ワンタイムパスワードみたいな認証方法)に使用されます。選択された認証キー(パスワード)はTIによる特殊な構成”BtoBプロトコル”を採用しており、この認証キーはbq27546-g1残量計単体からでは読み込み、変更はできません。

要はどうにもできない。



Apple以外でバッテリーを交換する以外、最大容量を再び表示させることはできない


なんという仕様でしょう.....ヒドい!ヒドすぎます!

(翻訳が間違っていたらご指摘よろしくお願いします。)

驚くべきことに


iPhoneX以前にもこの手のチップはiPhone用バッテリー内蔵されていたことです。アシュフォード氏はアップルがチップの認証機能をわざと今まで使ってこなかったと話しています。



そしてこの時期の突然の認証キーをオン!
この手はズルイ!(まるで修理屋をいつか排除してやろうとする意図であるかのようです)

では、最大容量が表示された謎のバッテリーの秘密は?


なぜ動画内に登場した非純正ノンラベルの謎バッテリーが無事に認証が通ったのかというと.....。

出荷時のバッテリーについている残量計ごと謎バッテリーに移植したから。


この作業はアシュフォード氏自身がやったことを後で暴露。わざわざ別なショップで検証するところが見事な演出と言いますか。

しかしこの移植の方法は現時点で方法わからないのであれば、作業中にバッテリーが火を吹く可能性があるので「絶対に挑戦しないように」と非公開に。残念、見てみたかったです。

 

どうしてもバッテリーの状態を確認したい場合は


iPhone側でバッテリーの状態を確認できなくてもパソコンソフトで確認する方法があります。

シンプルで1番わかりやすいバッテリー診断ソフトはMac版の「ココナッツバッテリー」でしょう。充電回数とバッテリーの最大容量がグラフで表示されるので一目でわかります。これはオススメです。
「Design Capacity」のグラフが最大容量です。



 

Windows版のソフトは「iBackBot」なのですが、iOSのせいか最近は正常な表示がされなくなってしまったので、次のアップデートを待つばかりです。

 

結論:気にせずに使おう


iPhoneが壊れてしまったわけではなく、これは個人/非正規店で何かしらの手を加えられるのを徐々に回避してユーザーがまっすぐ正規店へ向かうように誘導するための対策のようなものなので、こんな事情はお構い無しにバッテリー自体はすこぶる正常に働いてくれています。充電はちゃんとできますからいつも通り気にせずに使いましょう。