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【iPhone】ガラス割れでも液晶ごと全部交換するのはなぜ?
- 秋葉原店 2020-06-10 2020-06-08 秋葉原店店長 須山よしのり
修理内容の中でメジャー級に多いのがガラス割れ
割れ目が画面表示にかぶって文字が見にくいんですよね。画面全体にクモの巣のようになった日にはもうがっかりしてしまいます。
ガラス割れと液晶交換、その違いは?
修理をするために各修理店のホームページをみると、画面修理でもガラス割れと液晶交換の2つが載っています。
店舗によっては軽度破損と重度破損と言うような表現を使っているところもあります。これは前者がガラス割れ、後者が液晶ですね。
では今からその違いをご説明します。
まずガラス割れ修理:
正規店以外での画面修理歴がないもの+表示が正常でタッチ操作に一切不具合のないものがガラス割れに相当します。冒頭の写真のように綺麗に表示されていれば次に文字を入力するなどタッチ感に異常がないか確認してみましょう。
そして液晶交換修理:
正規店以外での画面修理歴のあるもの、表示に異常があるもの、タッチ操作に不具合のあるもの、もしくは一切操作ができないものが液晶交換に相当します。*iPhoneXなどの有機ELディスプレイの場合も見方は同様です。
実はガラス割れ修理も液晶交換も、修理方法は一緒
はい、ガラス割れは液晶交換と全く同じ修理内容です。なのでガラスと液晶が一緒に壊れてしまったからといって両方の金額はかかりません。ガラスと液晶が両方壊れている場合は"液晶交換"の金額になります。
なぜ修理方法は全く一緒なのに2種類の料金が存在するのかは後ほどご説明いたします。
液晶ごと交換する理由はガラスと液晶を分離するのに手間と時間がかかるからです。多くのお客様がガラス割れを修理店に持ち込むと、表面の割れたガラス面を取り除いて、新しいガラスを貼り付けて完成させる作業を想像すると思います。しかし、ほとんどの修理店はガラスと液晶(iPhoneX、11Pro系は有機EL)がすでに一緒になった"完成形"を取り付ける作業になります。
効率の悪すぎる”ガラスだけの交換”
日本国内では非常に珍しいですが、探せばどこかにあると思われる”ガラスのみ交換”その手順はYouTube動画にありましたので、ご紹介します。日本で正しくやっている動画が見つかりませんでしたので、今回は中国の深センに本社を構える企業「REWA」が実際にガラスの張り替えをやっているところの動画です。
液晶画面であるiPhone7plusと有機ELのiPhone11Proのガラス交換の2つを見つけましたのでご紹介。
まずはiPhone7Plus
お次はiPhone11Proです。
*動画解説*
最初の動画はiPhone7Plus、液晶です。液晶画面のガラス張り替え手順は大まかに
①ベゼル(側面の枠)を切り離す → ②機械で温めながら割れたガラスと液晶を分ける → ③液晶に残った糊を綺麗に取り除く → ④綺麗になった液晶に新しい糊を貼り付ける → ⑤新しいガラス+ベゼルを貼って機械を使って圧着する → ⑥ガラスと液晶の間に残った気泡を取り除くため真空にする機械を使って空気を抜く →⑦バックライトを張り替える
続いて有機ELのiPhone11Proのガラス張り替え
①割れた画面を機械を使って130〜150℃に冷やしながらベゼルの溶接部分を剥がす → ②今度は温めながらベゼルの接着剤をはがしてベゼルと有機ELを分離する → ③ 有機ELに残った糊を綺麗に取り除く → ④新しいガラスに糊を貼り付ける → ⑤糊を貼ったガラスの気泡を消すために真空にする機械を使って空気を抜く → ⑥出来上がったガラスと綺麗にした有機ELを貼り付ける → ⑦新しいベゼルを取り付ける
液晶8工程、有機EL7工程を終えてようやくフロントカメラやホームボタンを取り付けて本体に組み上げることができます。
これは大変すぎる
修理の依頼を受けてからこの全工程を最初からやると慣れていても2時間くらいでしょうか。先ほどの動画では省略されていますが、このガラス張り替え作業中に何度も操作チェックが必要です。
途中まで操作に問題が無かったのに、いざ出来上がって見てみるとタッチ操作の反応がない....なんてこともあります。
よってほぼ全ての修理店は最初からでき上がった物を仕入れて複数ストックしています。ガラス貼り替え作業をすっ飛ばしてホームボタンなどの組み上げ作業から始められますし、途中で不具合を発見しても別のできあがった液晶画面にさっと切り替えができる...となるとこちらの方がかなり効率が良いです。
ピンからキリまである液晶画面のランク
この組み上げ直前まで出来上がったiPhoneの画面は大きく分けて2つ
◉工場で修理用に製造された完全他社ブランドのもの
◉アップルの純正液晶を再利用したもの
他社ブランドは日本でよく言う”互換品”です。液晶画面は生産コストを出来るだけ下げているので修理後の見た目が工場出荷時のオリジナルの画面と比べると細かい部分の違いがわかりやすかったりします。
一度アップル以外の修理店で画面修理を受けた方なら思い当たるかもしれません。バックライトが少し暗かったり、白い背景にすると青みがかった見た目になっていたという経験があると思います。修理料金が他店に比べてものすごく安かったりすると魅力的に感じますが、修理後の見た目があまりに期待外れにならないよう注意が必要です。
一方で”純正品を再利用”したものとは、先ほどの動画のように、アップル純正の画面から割れたガラスを取り除いて新しいガラスを貼って出荷されるものです。こちらの場合はできるだけAppleオリジナルに近づけてありますので修理後の見た目は工場出荷時とほぼ変わりません。
勘の良い方はお気づきかと思いますが
ガラス割れ修理で取り外したお客様のiPhone画面は、専門の工場へ集められ再生されて新たな商品とし市場に出ています。ここでなぜ”ガラス割れ”と”液晶交換”の2つの料金体系があったのか、大体わかってきましたね。
そう、ガラス割れの画面を修理と同時に下取りしているからです。お客様の修理料金からいくら引いているので"ガラス割れ"修理料金"は"液晶交換"よりも安いのです。つまり元々の修理料金は液晶交換の料金です。
以上、iPhoneの画面修理に関する豆知識でした
多少iPhone修理の見方が少し変わりましたでしょうか。少しでも知ると修理店に問い合わせする際に質問しやすくなりますよね。特に画面に関しては一番見た目に関わってくるところなので、気にかけたいところです。
当店でもお値段重視の互換製品、見た目を純正に近づけたハイクオリティー製品をとり扱っております。
使用頻度、仕事用、普段使いなど用途にに合わせてお選びいただけますのでお気軽にお問い合わせくださいませ。