-
関連ニュース・その他
「Pixel 8 Pro」「iPhone 15 Pro Max」ガチンコ勝負 カメラはどちらが上か
- 小岩店 2023年10月22日 2025年10月16日
Googleの「Pixel 8」シリーズとAppleの「iPhone 15」シリーズが発売された。今回はその中でも最上位モデルとなる「Pixel8Pro」と「iPhone15ProMax」を比較する。特に注目したいのが、Pixel 8 ProのAI強化、待ちに待ったiPhone 15 Pro Maxの望遠カメラ強化だ。具体的にどういったところがそれぞれの強みなのかを実機で検証した。
![]()
静止画を比較 食べ物や暗所撮影に強いのはどっち?
0.5xの超広角では他のレンズよりも広い画角で撮れる。スケール感を出すのに便利だ。Pixel 8 ProとiPhone 15 Pro Maxで撮影した画像を比べると、Pixel 8 Proは白っぽくなり、トマトの赤はやや足りず、レタスの青みが増している。
撮影現場の光源はオレンジライトだったので、それに近い表現となったのはiPhone 15 Pro Maxだった。
0.5xから1xに切り替えて撮影してみると、Pixel 8 Proの色味が0.5xとは異なり、暖色系、つまりiPhone 15 Pro Maxに近い色味となった。
一方でトマトはPixel 8 Proの方が鮮度があると感じる。
2xにして先ほどよりもさらに被写体に寄ってみると、Pixel 8 Proの色味はまた白っぽくなった。
光源が白色系と認識されているのかは不明だが、ややみずみずしさが足りない気がする。
iPhone 15 Pro Maxの色味はまずそうとまでは言わないが、実際よりも赤色が強い。
5xでもPixel 8 Proの色味は白色が強く現れてしまい、レタスの緑色とは程遠い青色に近い仕上がりとなってしまう。
iPhone 15 Pro Maxの仕上がりとしては全体的に赤色が強く、こちらも実物とは違う。
明るさはともに明るすぎず暗すぎず、といったところ。現場の雰囲気は捉えられているようだ。
続いて試したのは夜景だ。
これからの冬シーズンに向けて、街が鮮やかなイルミネーションで彩られることから、スマホを持って出掛けて、夜景撮影に臨む人が多いだろう。この点についてもPixel 8 ProとiPhone 15 Pro Maxの違いを比較した。
0.5xで撮影したところ、Pixel 8 Proの方が明るく撮れるのだが、肉眼で見た夜景よりも明る過ぎてしまう。
夜景というより曇り空で薄暗い夕方のような雰囲気だ。iPhone 15 Pro Maxは木々の辺りが黒くつぶれてしまうが、不自然な明るさではない。
1xにすると、違いが出た。ハンバーガーを被写体とした先ほどの仕上がりと同様、色味や明るさの差が他の倍率ほど大きく見られない。
ただ、地面の色は緑色が若干強くなっているiPhone 15 Pro Maxよりも茶系や黒がしっかりと再現できているPixel 8 Proの方が実物に近い。
2xは街灯の明るさが目立つのがiPhone 15 Pro Max、やや控えめなのがPixel 8 Proといったところ。
iPhone 15 Pro Maxではつぶれがちなビルの窓から漏れる光や、窓枠などのディテールがPixel 8 Proではややはっきりと表現できている。複数のピクセルを束ねて感度を向上させるピクセルビニングを活用しているため、全体的にノイズの少ないきれいな仕上がりとなる。
5xでも他の倍率よりも差が表れやすい。木々の緑色やビルのディテール、東京駅舎の茶色のれんがが自然に表現できたのはPixel 8 Pro。手持ちのため構図が少し違う点はご容赦いただきたい。
極め付きはデジタルズームの仕上がりだ。2機種とも5xまでは光学ズームだが、それ以降はデジタルズームとなる。
分かりやすい例として最大倍率で比較したい。ただし、Pixel 8 Proは最大30x、iPhone 15 Pro Maxは最大25xと異なる。
仕上がりを比較すると、見事に鮮明な画像を撮影できているのがPixel 8 Proで、全体のディテールがつぶれてしまっているiPhone 15 Pro Maxと比較すると、全体的には暗いものの、Pixel 8 Proで撮影した画像では駅舎の中にある看板の「JR」という文字が確認できる。
これは肉眼でも見えづらいわけだから、スマホカメラでここまで記録できるのはすごい。
JRの文字が写っている箇所を切り抜いてみるとよく分かるはずだ。一般的に倍率が上がると落ちてしまう画質がAIを使った「超解像ズーム」によりきれいな仕上がりとなる。
なお、Pixel 8 ProもiPhone 15 Pro Maxも最大倍率でズームすると、画面にサムネイルが表示され、全体像を確認しながら撮影できる。
どの辺りを中心にズームしているのかが分かるし、手ブレによって被写体がフレームから外れて、見失ってしまうことはない。
Pixel 8 ProをはじめとするAndroidかつ高倍率ズームを搭載するモデルでは特段目新しい機能ではないが、iPhone 15 Pro Maxで最大25xズームが可能な点と、UIに工夫が見られる点を考えると、iPhoneのPro Maxでもようやく望遠カメラが強化された、と実感できた。


