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あなたのiPhone冷えてませんか?冬にありがちなトラブル。

秋葉原店 2024-01-23 2024-01-23 秋葉原店店長 須山よしのり
あなたのiPhone冷えてませんか?冬にありがちなトラブル。

iPhoneにも理想の温度があります



暖冬と言われる2023年から2024年にかけての冬。
それでも寒いと感じるのは、日本の四季のおかげでしょうか。
日本でのシェア率が高い、と言われるiPhoneですが
その実、なにも日本の環境に順応するために作られているわけではありません。
夏は最高気温が40℃手前まで高くなれば、話題になる
「スマホ熱中症」
なかなかキャッチーなフレーズだと思いますが、修理屋さんからしても言い得て妙、といったところで。
では最低気温が0℃以下になる冬場はどうでしょうか?
今のところスマホ熱中症ほどの言葉は生まれていないように思います。
さらっと考えてみると「スマホ冷え性」なんてどうでしょう。
…なんかパッとしませんね。
ですが、なにも名称を決めたいわけではありません。
iPhoneが冷えると、どんな症状が起こるか?つまりはそういうことです。

俗説にある「iPhoneは寒いとバッテリーがすぐ切れる」は本当?



これは本当です。

冬場は電池の持ちが悪い、寒いとすぐに電源が切れる、なんて話をよく聞きますが
ユーザーの分母が多いiPhoneで、よく言われていることです。
実際、店頭でも冬場はバッテリー関連、電源周りの御相談が増える傾向にあり
新旧機種問わず在庫数を増やしたりもします。
これはiPhoneにも搭載されているリチウムイオン電池(リチウムイオンバッテリー)の特性が関係しているものなのでiPhoneに限った話ではありません。
iPadもiPod touchも同様に、それ以外のスマートフォンやリチウムイオン電池を含むすべての製品に言えることです。
最近では電気自動車(EV)の冬季運用に関連する話題なんかもありましたね。
規模感が手のひらから乗り物まで広くなっているので分かりにくいかもしれませんが、基本的な充電して物を動かすというカテゴリでは大なり小なり仕組みは違えどiPhoneも電気自動車も同じでリチウムイオンバッテリーが大活躍中…ということは、頭の隅に置いておいて頂ければと思います。
で、そのリチウムイオン電池は冬の寒さ=冷えに非常に弱く、これが電池内部の発電蓄電に大きく関わってきます。
ものすごく端的に説明すると、寒い場所では「効率」が落ちます。
リチウムイオン電池は内部のリチウムイオンが電極(正極と負極)を移動したときのエネルギーを利用し発電と充電を行っているのですが、この一連の動きが温度低下によって抑制されてしまいます。
正確にはリチウムイオンが正極と負極を移動する際の抵抗が大きくなり、移動量に対して十分な発電と充電が行えない。ですね。
(人間も寒いと筋肉が強張り運動効率が落ちますので、そのくらいの感覚で捉えて頂ければ…)
iPhoneの製品仕様では使用環境温度を0℃~35℃としているようですがリチウムイオン電池自体は5℃以下になると性能の低下が起こり始めます。
外気温が0℃を下回る日本の冬ではバッテリーの保ちが悪くなるのは当たり前、ということが分かりましたね。
なので、iPhone君も真冬の日本には耐え難い思いを抱えていると思います。人間と同じですね。

冬は電源が入らないトラブルも増える



と、冬はバッテリーの消費が早いという事は先程の内容で本当だとわかって頂けたかとは思いますが…
実は冬場は消費やバッテリー切れ以外にも増える御相談があります。
それは「電源が入らない」というものです。
この症状はバッテリーの減りよりも、更に症状と原因が細分化されますね。
例えば、iPhoneの画面が真っ暗になった状態を「電源が入らない」としている場合もあれば
通常のロック画面やホーム画面を表示するに至らない状態を「電源が入らない」としている場合もあります。
あくまで状態をさす言葉ですので、日本語って具体的な割に抽象的ですね。
そんな中で冬場に急増するのは「画面が真っ暗で電源が入らない」というもの。
通常、健康なバッテリーではそう起こらない症状ですが、一定の条件下でなりやすくなります。
それが「バッテリーの劣化」です。
このバッテリーの劣化、言葉にすると色々な考えを巡らせて理由を探すものですが
通常リチウムイオン電池(リチウムイオンバッテリー)は使用を繰り返す内に蓄電量(蓄電容量)が低下していきます。
これがiPhoneで言うところの「最大容量」に値するもので、この数値が80%を下回っているときは交換が必要な理由でもあります。
この最大容量の低下=蓄電量の低下が起きることで、バッテリーの稼働時間が落ちるのはもちろん
電圧の低下も起こりやすくなります。
電圧というのは電気を十分な量、送るために必要なステータスです。
変な例え話になりますが、水の勢いが弱いシャワーでは満足に体や髪を洗うことはできませんよね?
電気も考え方は似ていて、十分な圧力が無いと対象を動かすだけの電気が送れません。
劣化したバッテリーは蓄電量が低く、また電気を送り出す力も弱くなっています。
通常の環境下であれば、そう簡単にトラブルは起きませんが…
今回の論点である、冬場はどうでしょうか?
先程も話したように、冬場はバッテリーの効率低下が起きやすく健康なバッテリーでも減りが早くなるわけです。
そうなると傷んだ、劣化したバッテリーではどうなるでしょうか?
答えは簡単ですね、起動不良になるケースが起きやすくなります。
蓄電量の低下=電圧の低下+寒さによる効率低下がもたらすトラブル、ですね。

冬場の電源トラブルを避けるには。



では、そんな冬場の電源トラブルを避けるにはどうしたらいいでしょうか?
「温める」
「充電したまま使う」
…そんな答えがチラホラと聞こえてきそうですが、どちらも答えはNOです。
まず、iPhoneが置かれる環境温度を一定に保ちましょう。
これは冬場に限らず、日本全国四季折々すべての条件に当てはまることですがiPhoneは世界一ポピュラーな精密機器です。
例えば飾られた精密な工芸品を投げて遊ぶ人がいないように、iPhoneにも求められる環境というものがあります。
たとえば
冷え込みが激しい冬の窓辺にiPhoneを置いたままにしたり…
断熱もされていない車に置き忘れたり…
冷えているからと言ってカイロ等の熱源に当てたり…
充電中のiPhoneを布団やまくらの下に押し込んだり…
そんなことをすれば、当たり前のようにiPhoneの寿命は短くなり、トラブルのもとになるでしょう。
急な温度変化を避ける
環境温度が不安定な場所に置かない
この2つを守るだけで、iPhoneの寿命は大きく変化します。
つまりは「大切に使ってほしい」「もう少しiPhoneを気遣ってほしい」ということですね。
それでもバッテリーの劣化、電源周りのトラブルにお悩みの際は一度当店まで御相談下さい。
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