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スマホ・タブレット修理
基板レベルで直すとは?iPhone修理の専門用語解説
- 川越店 2026年2月18日 2026年2月18日 川越店店長 奥田かなこ
iPhoneの修理において、最も難易度が高く、かつ重要な役割を果たすのが「基板レベル修理」です。
画面割れやバッテリー交換といった一般的な修理とは異なり、iPhoneの心臓部そのものにメスを入れるこの作業は、大切なデータを救い出すための最後の砦とも言えます。
本記事では、スマホ修理の専門家としての視点から、基板修理の定義から具体的な作業内容、費用相場、さらには店舗選びのポイントまで、徹底解説します。
本記事では、スマホ修理の専門家としての視点から、基板修理の定義から具体的な作業内容、費用相場、さらには店舗選びのポイントまで、徹底解説します。
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基板レベル修理とは?iPhone/基盤修理の定義と「基盤が壊れる」とどうなるか

基板レベル修理の意味:基盤と基板の違い、iPhone修理との関係
iPhone内部には、液晶画面、バッテリー、カメラ、ドックコネクタ(充電口)といった各パーツを制御する中心的な部品が存在します。
これを専門用語で「基板(ロジックボード)」と呼びます。
• 基板と基盤の違い:日常会話では「物事の基礎」を指す「基盤」という言葉が使われがちですが、電子機器の回路板を指す正確な用語は「基板」です。
修理店によって「基盤修理」と表記されることもありますが、意味するところは同じiPhoneのメイン回路の修復を指します。
修理店によって「基盤修理」と表記されることもありますが、意味するところは同じiPhoneのメイン回路の修復を指します。
• 基板の役割:基板はiPhoneの「脳」や「心臓」に例えられるほど重要なパーツです。CPUによる高速演算処理、NANDフラッシュメモリへのデータ記憶、各パーツへの配電管理、Wi-Fiや4G/5Gなどの通信管理など、iPhoneが動作するためのすべての機能を司っています。
• 基板レベル修理の定義:通常の修理で行われるパーツ交換(画面を新しくする、バッテリーを替えるなど)とは異なり、基板上に密集している数千もの微細なICチップ、コンデンサ、抵抗、そして目に見えないほど細い回路そのものを、顕微鏡下ではんだ付け等を用いて修復する高度な専門技術を指します。
基板修理と基盤交換の違い:部品移植と丸ごと交換の比較

「基板を直す」という言葉には、大きく分けて二つのアプローチがあります。
この違いを理解していないと、大切なデータを失うリスクがあります。
1. 基板(本体)交換: Apple正規店やキャリアショップでの「修理」は、厳密には「デバイスの交換」であることがほとんどです。
故障した基板を正常な別の基板へと丸ごと入れ替えるため、基板に直付けされているメモリチップ内のデータはすべて消失します。
バックアップがない場合、データを取り戻すことは不可能です。
2. 基板レベル修理(コンポーネント修理): データが保存されているメモリチップはそのままに、故障の原因となっている特定のICチップやショートしたコンデンサだけを特定して交換・修復します。
回路の「バイパス手術」のような作業を行うことで、データを保持したまま起動・復旧させることを目的としています。
基盤が壊れるとどうなる?電源が入らない・リンゴループ・動作不良の解説
基板に深刻なダメージが生じると、iPhoneは以下のような致命的な症状を示します。
• 電源が入らない(不動):ボタンを押しても、充電ケーブルを挿しても、画面が真っ暗なまま(ブラックアウト)全く反応しない状態です。
内部の電源供給回路がショートしている、あるいは電源管理ICが破損している場合に起こります。
• リンゴループ(再起動の繰り返し):Appleのロゴマークが表示された後、ホーム画面に進まずに再起動を繰り返す症状です。
システム的なエラーだけでなく、基板側のシステム制御回路やメモリの故障が物理的な原因となっているケースも多いです。
• 特定の機能の動作不良:画面を新品に交換してもタッチが効かない(タッチ病)、カメラを替えても映らない、Wi-Fiボタンがグレーアウトして押せないなど、基板上の特定の制御チップやコネクタ回路が破損することで発生します。
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基板(基盤)が壊れる主な原因と症状:落下・水没・衝撃・ショート

衝撃・落下による破損事例:本体損傷とCPU・部品の故障パターン
iPhoneは年々頑丈になっていますが、落下の衝撃は目に見えない形で基板に蓄積されます。
• 物理的な断線とハンダクラック:強い衝撃や本体の歪みにより、基板内部の多層配線が断線したり、ICチップを基板に固定している微細な「はんだ」に亀裂(ハンダクラック)が入ったりします。これにより接触不良が起き、ある日突然電源が入らなくなります。
• CPU・メモリへのダメージ:特に激しい衝撃(車に轢かれる、高所からの落下など)では、基板の中枢であるCPUやメモリチップ自体が物理的に破損することもあり、この場合は修復が極めて困難になります。
水没やショートで起きる症状:充電不可・起動不可・リンゴ(ループ)や電源不良

基板故障の最大の原因として挙げられるのが「水没」です。
• ショートと腐食:内部に侵入した水分(特に海水やジュース、汗など)が電気を通し、回路をショートさせます。また、乾燥した後も水に含まれるミネラルや不純物が錆(腐食)となり、じわじわと回路を蝕んでいきます。
• 時間差での故障:水没直後は使えていても、数時間後や数日後に突然電源が入らなくなるのが水没故障の恐ろしさです。お風呂の蒸気や、温度差による内部結露も「見えない水没」として基板をショートさせる原因となります。
症状から原因を判断する方法:電源・画面・タッチ・通信のチェックポイント

修理の現場では、以下のチェックポイントから基板故障の可能性を探ります。
1. 電源周り:充電器を挿すと基板の特定箇所が異常に熱くなる(激しい発熱)。
電流計で測定した際、通常とは異なる異常な数値を示す。
2. 画面・表示:バックライトが点灯せず、光を当てるとうっすら映っているのが見える(バックライト回路のショート)。
3. 操作性:複数の画面パーツを試してもタッチ操作が一切受け付けられない。
4. 通信環境:Wi-FiやBluetoothの設定ボタンが白く濁ったようになり(グレーアウト)、オンにできない。
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基板修理の作業内容と方法:移植・ICチップ交換・はんだ作業の流れ

具体的な作業工程:診断→移植/チップ交換→動作確認までの時間と作業内容
基板修理は、精密外科手術に近い緻密な工程で行われます。
1. 分解・診断:iPhoneを分解し、顕微鏡を用いて基板を目視確認します。
さらに電流計や電圧計を使い、どの回路で電気が止まっているか、あるいは漏れている(ショートしている)かを特定します。
2. 洗浄と乾燥:水没の場合は、専用の溶剤と超音波洗浄機を用いて、腐食や汚れを徹底的に除去します。
3. 修復作業(はんだ付け):0.1mm単位の極細のはんだごてや、熱風でチップを浮かすホットエアー、赤外線ヒーターなどの特殊設備を使用します。
故障したコンデンサの除去や、ICチップの再実装(リボール)、断線した回路を細いワイヤーで繋ぐバイパス手術などを行います。
4. 仮組み・動作確認:修復した基板に新しいパーツを仮付けし、起動するか、データにアクセスできるかを確認します。
基板のどの箇所を直すか:部品・ICチップ・CPUなどの移植と対応範囲修理の対象となるのは、基板上に配置されたあらゆる部品です。
• 電源IC・充電IC:電源供給やバッテリーへの蓄電を管理するチップ。
• タッチ制御IC・バックライトIC:画面表示や操作を司るチップ。
• Wi-Fi/Bluetoothチップ:無線通信を管理するチップ。
• NANDフラッシュメモリ(移植):データが保存されている場所。基板自体が修復不可能なほど損傷している場合、このメモリチップを正常な基板へ「移植」することでデータを救出する最終手段もあります。
データに影響する箇所と復旧可能/不可の見分け方
• 復旧可能:データが保存されている「NANDフラッシュメモリ」と、暗号化を司る「CPU」が無事であれば、周辺の回路不良で起動しないだけであれば復旧の可能性は非常に高いです。
• 復旧不可:メモリチップそのものが物理的に割れている、あるいは内部で焼損している場合。また、CPU自体がショートしてしまっている場合も、現在の技術ではデータの救出が極めて困難です。
店舗作業と郵送修理の違い:即日対応や時間・受付の流れ(iPad/iPod/Android含む)
• 店頭修理:画面交換のように「その場で数十分」とはいきません。高度な設備が必要なため、多くの店舗では数日から1週間程度のお預かりとなります。
• 郵送修理:全国どこからでも専門技術を持つ拠点へ修理を依頼できます。
往復の輸送時間を含め、通常1週間〜3週間程度の期間を見ておく必要があります。
iPhoneだけでなく、iPadやiPod、Android、Switchなどの基板修理に対応している店舗も多いです。
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データ復旧とバックアップの注意点:直らない時の対応と無料診断
基板修理でデータは戻る?復旧率・バックアップの重要性と注意点
多くのユーザーが最も懸念するのが「データ」です。
基板修理の最大の目的は、端末を新品同様に長く使い続けることよりも、「一時的にでも起動させ、バックアップが取れる状態にすること」にあります。
• 復旧率:専門店の基板修理によるデータ復旧率は非常に高いですが、100%を保証できるものではありません。
• バックアップの重要性:基板故障は「自然故障」として、前触れなく突然起こることもあります。
日頃からiCloudやiTunes/Finderでのバックアップを習慣化することが、唯一の完全な対策です。
『直らない』ケースの見分け方と不可の場合の費用・リスク説明
どんなに熟練したエンジニアでも、直せないケースは存在します。
• 修理不可の判断:重度の水没による広範囲の腐食、基板の折れ・欠損、CPUの破損など。
• 成功報酬型:良心的な修理店では、データが復旧できなかった場合には、点検料などの最低限の費用(3,000円〜5,000円程度)のみで、高額な修理代金は発生しない「成功報酬制度」を採用しています。
バックアップがない時の対処法と専門店へ依頼する方法(復旧が必要な場合)
もしバックアップがない状態で電源が入らなくなったら、以下の行動が重要です。
1. 通電を避ける:何度も電源ボタンを押したり、充電器を挿しっぱなしにしたりしないでください。ショートが悪化し、復旧率を下げてしまいます。
2. 自己修理をしない:ネットの情報を鵜呑みにして自分で分解すると、基板に致命的なダメージを与え、プロでも手出しできない状態になります。
3. 速やかに専門店へ相談:特に水没の場合、1分1秒でも早い洗浄・処置が復旧の鍵を握ります。
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費用・料金目安と「安い」修理店の見極め方:Apple(アップル)/他店/自分で交換の比較
iPhone基板修理の金額相場:修理内容別の費用・価格目安

基板修理は特殊な技術と設備を要するため、通常のパーツ交換より高額になります。
• 軽度の故障・洗浄:10,000円〜20,000円。
• 重度の基板修理(チップ交換・データ復旧):25,000円〜50,000円。 最新機種やProモデルなど、難易度が高い機種ほど費用は上がる傾向にあります。
アップル正規(Apple)と他店の金額差、保証と安心感の比較
• Apple Store / 正規プロバイダ: AppleCare+に未加入の場合、機種により約4万円〜11万円以上の「その他の損傷(本体交換)」費用がかかります。
メリットは「新品同様の端末が手に入ること」ですが、デメリットは「データが100%消えること」です。
• 非正規修理店(専門店): 約2万円〜4万円程度で修理可能です。最大のメリットは「データを残したまま直せる可能性があること」です。
デメリットは、修理後にAppleの正規保証対象外となる可能性がある点です。
自分で交換するリスクと必要な工具・費用(やめたほうがいい場合)

YouTubeなどの動画を見て「自分でもできそう」と思うかもしれませんが、基板修理のセルフ作業は絶対にお勧めしません。
• 必要な工具:数万円〜数十万円する高倍率の実体顕微鏡、精密はんだごて、温度管理が可能なホットエアー、回路図、静電気対策設備などが必要です。
• 失敗のリスク:静電気一つで基板は死にます。
また、ネジの長さや締める場所を間違えるだけで回路を破壊する「ロングスクリューダメージ」など、自己修理失敗による持ち込み事例は後を絶ちません。
無料診断や修理保証の有無で変わる総費用の見方
安さだけで店を選ぶのは危険です。以下の点を確認しましょう。
• 修理保証:基板修理後に、同じ箇所が故障した場合の保証期間(3ヶ月など)があるか。
• 診断料の有無:修理不可だった場合にいくらかかるのか(成功報酬制か)。
• 総務省登録修理業者:電波法や電気通信事業法の基準をクリアしている店舗か。
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店舗選びと依頼の流れ:来店・受付・登録・郵送、即日対応や年中無休の探し方

近くで頼めるおすすめ店舗の探し方:即日・年中無休・全国対応・おまかせサービスのチェック
信頼できる店舗を見極めるポイントは「実績」と「透明性」です。
• 検索キーワード:「iPhone 基板修理 [地域名]」「iPhone データ復旧 成功報酬」などで検索し、実際に基板修理を行っているエンジニアの顔や作業風景が見えるサイトを選びましょう。
• 年中無休・即日診断:急ぎの場合は、年中無休で営業しており、初期診断を店頭ですぐに行ってくれる店舗が便利です。
来店から完了までの流れ:受付→診断→作業→受け取りまでの時間・登録方法
1. 受付・ヒアリング:故障時の状況(水没、落下など)を詳しく伝えます。
2. 初期診断:パーツ交換で直るか、基板修理が必要かを切り分けます。
3. お見積りと同意:修理にかかる費用と期間、リスクの説明を受け、同意書にサインします。
4. 基板修復作業:専門エンジニアによる精密作業が行われます。
5. 完了報告・受け取り:動作確認を行い、データが無事であることを確認して代金を支払います。
郵送修理の流れと送料・受付時の注意点(データ保護・梱包)
1. Web申し込み:専用フォームから申し込みます。
2. 梱包と発送:輸送中の振動や衝撃でダメージが広がらないよう、プチプチ等で厳重に梱包します。
3. 診断結果の連絡:到着後、診断結果と最終的な見積もりがメールや電話で届きます。
4. 修理・返送:修理完了後、代引きや銀行振込などで支払い、自宅に返送されます。
安い修理店に頼む際の確認事項:パーツ・対応・他店依頼の可否
「他店で修理不可」と言われた端末でも、諦めるのは早いです。
• 自社修理か外部委託か:受付だけして外部の基板修理センターに送る店よりも、自社内にエンジニアがいる店の方が、納期が短く、技術的な説明も正確です。
• セカンドオピニオン:一軒目の店で「直らない」と言われても、より高度な技術を持つ店(基板修理専門店)では直せる場合があります。
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実例・事例紹介とよくある質問(FAQ):症状別の改善例とおすすめ対応で安心を得る
事例1:落下で起動しないiPhoneの基板修理でデータ復旧できたケース
高いところからアスファルトに落とし、画面は割れていないものの電源が全く入らなくなったiPhone 13。
他店では「原因不明で修理不可」とされましたが、当店の基板診断により、衝撃で基板上の電源管理ICの「はんだ」が剥離していることが判明。
チップの再実装(リボール)を行った結果、無事に起動し、4年分の家族写真を含むすべてのデータを取り出すことに成功しました。
事例2:水没後にリンゴループになったiPhoneの修理/復旧不可だった事例
お風呂で使用中に水没させ、乾かした後に電源を入れたところ、リンゴマークが点滅し続ける状態になったiPhone 12。
内部を確認したところ、水分が残ったまま通電したため、基板の主要回路が広範囲に焼損(ショート)していました
。腐食の除去とコンデンサの交換を試みましたが、データメモリチップ自体がショートによる熱ダメージで物理的に破損しており、残念ながら復旧不可となった事例です。
「水没後は絶対に電源を入れない」という鉄則の重要性を物語るケースです。
Q&A:よくある質問

Q: 修理するとデータは本当にそのままですか?
A: はい、基板修理の目的はデータを救い出すことです。メモリチップ内のデータには触れずに回路を修復するため、成功すれば故障前の状態で戻ってきます。
Q: 修理したiPhoneはその後も普通に使えますか?
A: 起動後は通常通り使えますが、一度ダメージを受けた基板は再発のリスクがゼロではありません。
復旧後は速やかにバックアップを取り、新しい端末への買い替えを検討することをお勧めします。
Q: 費用が想像より高いのですが、安くする方法はありますか?
A: 基板修理は技術料が主となるため、大幅な値引きは難しいですが、不要なパーツ交換(壊れたままでもデータに関係ないカメラの交換など)を省くことで費用を抑えられる場合があります。
Q: どの機種まで対応していますか?
A: iPhone 5や6といった古い機種から、最新のiPhone 16シリーズまで幅広く対応しています。また、iPadやiPodの基板修理も可能です。
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最後に

iPhoneの基板故障は、ユーザーにとって非常にショッキングな出来事です。
しかし、「基板レベル修理」という選択肢を知っていれば、諦めかけていた大切な思い出や仕事のデータを取り戻せるかもしれません。
他店で断られたり、正規店で本体交換しかないと言われたりしても、最後の望みを捨てずに、まずは基板修理のスペシャリストにご相談ください。
(本記事の内容は、提供された複数の修理専門店のソース に基づき構成されています。実際の修理費用や期間、対応範囲は各店舗の最新のサービス内容をご確認ください。)





