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iPhone 11 Pro Max 新品を分解 内部構造を画像付き解説
- 下北沢店 2019-12-23 2020-05-08
Appleの最新作iPhone 11 Pro Maxを初めての分解
こんにちは!スマホ修理ジャパン下北沢店スタッフです!
とうとうきました!
Appleの最新作、iPhone 11 Pro Maxを初めて分解します!
画像付きで修理の注意点やiPhone Xs Maxとの違いなど、徹底解説していきたいと思います。
では早速、分解していきたいと思います。
iPhone 11 Pro Maxのパネルを開く
iPhoneの分解は、必ずフロントパネルと本体を開くところから始まります。
パネルを程よく温め、画面を開けやすく
iPhone 6s以降の端末は全て、パネルテープによってフロントパネルが本体と強力に圧着されています。
そのため、まずはヒートガンと呼ばれる専用機材を使い、パネルの外側を温めることにより、テープの圧着を弱める作業が必須。
温めすぎてしまうと、搭載されている有機ELディスプレイにダメージが残り、本来の鮮やかさや明るさを表現できなくなってしまう恐れがあるため細心の注意を払ったうえでフロントパネルを加熱。
自己修理を考えている場合で専用機材が無い場合はドライヤーでも代用可能です。
そうしてじっくりと温めたのち、パネルをオープンします。
側面フレームを傷つけないように入刀
iPhoneのパネルを開ける際、注意したいのが「フレームを傷つけてしまう恐れがある。」という点です。
自己修理を行う場合でフレームの傷が気にならない方は問題ないのですが、iPhoneの修理店として「無傷でパネルを開く」という点は技術力の見せ所になり、お客様の端末を大切に取り扱っているという証明でもありますので、当店ではお客様の端末のフレームをきれいなまま画面を開くことにこだわりがあります。
これはiPhoneの修理屋さん独自のポイントかもしれませんね。
では、丁寧にフロントパネルを取り外していきます。
ついにiPhone 11 Pro Maxの内部構造があらわに
ついに、パネルを開くことに成功しました。
内部構造はパッと見た感じiPhone Xs Maxと似ているように感じます。
バッテリーはiPhone XやiPhone Xs Maxで採用されていた「デュアルセルバッテリー」ではなく、iPhone Xsに採用されている「L字の単体バッテリー」が採用されている模様です。
修理屋さん目線でお話しすると、デュアルセルバッテリーはコネクタの数も増え、ケーブルの取り回しも複雑になるため少し修理がしづらくなるデメリットがありましたが、この辺りは修理しやすくなった印象。
また、使われるバッテリー用のCPUもひとつで済み、組み立ての工数も減らせるため、コスト削減にもつながることが予想できることからApple社の企業努力もうかがえますね。
バッテリーコネクタを外す
iPhoneの分解工程は「バッテリーコネクタの取り外しに始まり、バッテリーコネクタの取り付けに終わる」と言っても過言ではありません。
iPhone修理の格言にしたいぐらい大切なことなのですが、電子機器の取り扱いの基本である「動力の切り離し」はバッテリーコネクタの取り外しであると考えるとわかりやすいのではないしょうか。
というわけで、分解の前にバッテリーコネクタを取り外します。
各コネクタを保護するプレートがネジで止められているので、慎重に取り外して、準備完了。
ちなみに、iPhone 11 Pro Maxでは、プレートに使われるネジはY字のネジ。
iPhone 7以降の端末で採用されたネジとなり、専用の精密ドライバーが必要ですので要注意。
基盤を傷つけないように注意!
iPhone 11 Pro Maxのバッテリーコネクタの周辺には基板(ロジックボード)に半田付けされたパーツがむき出しになっている部分が多数あるため、細心の注意が必要であると言えるでしょう。
ちなみに当店では各コネクタの取り外しには必ず専用のヘラを使い、部品(コンポーネント)を傷つけることが無いようにお客様の端末を取り扱っています。
そうしてバッテリーのコネクタを外した後、フロントパネルと本体を繋ぐコネクタの取り外しを開始。
各パーツのコネクタの取り回し
画像は各パーツのコネクタ保護するプレート外した写真です。
iPhone11ProMaxの各パーツのコネクタの取り回しですが、少々複雑に終結しています。
近接センサー・タッチセンサー・ディスプレイと大きく3つ機能をを司るコネクタ。
この3つのコネクタを取り外すことによってフロントパネルと本体を分離させることが可能。
では、慎重に取り外していきましょう。
取り外すコネクタはこの3つ
コネクタを外した直後の画像です。
この3つのコネクタを丁寧に取り外すと、フロントパネルの取り外しは完了。
左側にあるコネクタはどうやらカメラアッセンブリ用のコネクタの模様。
後程取り外しの工程を記します。
取り外したフロントパネルと本体
さて、ようやくフロントパネルと本体の分解に成功しました。
見たところ近接センサーのコードの取り回しについてはiPhone Xシリーズと大きな変化がない模様です。
恐らく、Face IDのエンジンのモデルチェンジが行われた程度のため、既存の設計を活かしたのではないかと思われます。
少々ケーブルの取り回しに変化があるものの、修理の工程には変化がなさそうです。
近接センサーの取り外しについては、あまり変わり映えがなさそうなのでまたの機会に。
お次はアウトカメラ(バックカメラ)の取り外しをご紹介。
トリプルカメラの取り外し
iPhone 11 Pro/11 Pro Maxの2モデルで新たに搭載されたトリプルカメラ。
このように一つ一つのカメラに多くの機能が凝縮されています。
詳しくはApple公式サイトからどうぞ。
参考サイト:Apple公式
「タピオカカメラ」というキャッチーな呼び名でも知られているiPhoneの最新型カメラですが、内部構造について気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
「カメラ故障の際に直るのか」
という疑問も解決するべく、画像付きで探っていきます。
では、カメラ部品の取り外しを行っていきましょう。
アウトカメラ(バックカメラ)を保護するプレートを外す
まずはカメラアッセンブリを保護するプレートを取り外していきます。
取り外していて気付いたのですが、カメラの保護を行うプレートにも仕様変更がなされていました。
これまでのiPhoneのカメラアッセンブリを保護するプレートは立体的なプレートによって側面とパネル面を保護していましたが、iPhone 11 Pro Maxでは2枚のプレートを使ってカメラを保護。
特に故障につながるような構造にはなっていないので注意する点ではありませんが、これもコストダウンの一環。
恐らく、プレートを制作する際の金型にお金がかからない仕様に変更したのではないでしょうか。
では、カメラアッセンブリのコネクタを外していきましょう。
カメラアッセンブリ用のコネクタを取り外す
カメラアッセンブリを本体とつなぐコネクタは、カメラの数と同じ3つです。
コネクタの本数を増やすことによって高性能なカメラを実現しているようですね。
トリプルカメラの先駆けであるHUAWEIの端末も同じような構造であったと思うので、ここはHUAWEIの技術を踏襲して開発されたと推測されます。(あくまで推測なので悪しからず)
それにしても最近のスマートフォンはパーツが密集していますね。
修理する側の人間としては新しい端末を分解するたびに「さらに腕を磨かねば」と研鑽欲を掻き立てられてしまいます。
お次はカメラ本体を取り外していきましょう。
カメラを取り外すコツ
コネクタを取り外した後はカメラを取り上げて、分解完了というわけですが、少々コツがいるように感じました。
写真の様に、ヘラやピンセットにてカメラを左側から持ち上げると、カメラレンズやカメラアッセンブリ本体に、余計な衝撃が加わらず、きれいに取り外しが可能です。
お次はタピオカカメラのご尊顔を直接拝むとしましょうか。
iPhone 11 Pro Maxのカメラ本体
とうとうここまで来ました。
トリプルカメラ(タピオカカメラ)のパーツ単体写真です。
まず、見た限り3つのカメラが連結して一つのパーツとなっているため、一つのカメラの不具合であっても、カメラを丸ごと交換する必要がありそうですね。
また、iPhone 11 Pro Maxのアウトカメラ修理は従来のカメラと同様に修理が可能と言えるでしょう。
iPhone史上最高機能のため、パーツの価格が高価であると予想されるので、1万円以上の金額になることは覚悟しておく必要がありそうです。
今回はここまで。
フロントカメラ(インカメラ)やライトニング(充電部分のパーツ)の分解工程も後にご紹介できればと思っています。
最後に…
筆者が店舗に立つスマホ修理ジャパンでは、新機種が出るたびに内部構造の研究や技術研鑽、スタッフ間の情報共有を行い、お客様に最高の修理サービスを提供していくことを目指しております。
そのため、修理の技術、知識と経験に関しては特に自信があり、適当な修理は一切いたしません。
スマートフォン全般でお困りの場合は是非お気軽にお問合せください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
それでは!